今回は 外壁 にまつわるお話しです。
2021年調査では新築戸建住宅外壁材の材料別構成比は、「窯業(ようぎょう)サイディング」が全体の76.8%を占めています。
窯業サイディングとは、セメントを主原料に繊維質などを混ぜて成形、高温で焼成(窯で焼く)して作られます。
この「窯で焼く工程」が名前の由来、土や砂などを高熱処理する製造工業に限定された呼称となります。ですので、同じ‘’窯‘’で焼くとはいえ食品の「ピザ」や「ナン」には使わない言葉です。
ごく最近では金属のサイディングもよく見かけるようになりました。しかしながら、絶対にガルバリウムがいい、ログハウス風が夢だったなど、強いこだわりのある方以外はほとんどが窯業サイディングを選ばれると言っても過言ではありません。それほど選ばれ使用されるには理由があります。
【窯業サイディングのメリットとデメリット】
まずは、デザインや色が豊富で新築・リフォームどちらにも対応しやすい点です。タイル調、石目調、木目調などのバリエーションがあります。
また、耐火性が高いことも人気の理由です。セメント系のため燃えにくく、防火性能に優れています。品質が安定していることや工期が比較的短いなど施工性も良く、初期費用を抑えやすい点もメリットのひとつです。
一方、気を付けるべき点があります。何にでもメリット・デメリットがありますが、窯業サイディングも万能ではありません。
窯業サイディングは板と板の継ぎ目にシーリング材を使います。上下は噛み合っているので水が入ることはないのですが左右は噛み合っておらず、だいたいは縦にまっすぐなシーリングのラインが入っています。指でさわると柔らかい部分がそれです。シーリングは10年程度で硬化したり亀裂が入ったりするので、定期的な打ち替えが必要になります。
また、表面塗装のメンテナンスが必要です。壁を触ると手や服に白いチョークのような色が付着するのを誰もが経験しているのではないでしょうか。このようなチョーキングは表面の塗膜の劣化ですが、コーキング部分を保護している塗膜の劣化でもあり、美観が損なわれるだけでなく防水性能も低下することになります。
以上のようなことから窯業サイディングの外壁の場合、足場を組むことが必要な「塗装工事」と「コーキング工事」を同時に行う場合がほとんどです。
逆に言えばこの2つを定期的にきちんと行っておくと、機能性と美観を維持してゆくことができます。
【コーキングの役割とは?】
塗料やペンキのことはだいたい想像がつくと思いますが(塗料の種類はまた複雑なのでそこは別として)、コーキングの役割は漠然としたイメージしかないのではないかと思います。
コーキングは外壁材同士の緩衝材となるもので“動く”ことで役割を果たします。
外壁は、夏と冬の気温差、地震や強風、建物の経年変化などによって、日々わずかに動いています。
コーキングはゴムのように伸び縮みすることで、その動きに追従しサイディングの継ぎ目から雨水の侵入を防ぐという重要な役割を担っています。
本来、コーキングは左右の外壁材の2方向だけに接着する2面接着が正しい施工です。

しかし、施工状の仕方によっては3方向すべてにくっついてしまう「3面接着」になることがあります。
3面接着になると、コーキングが左右に加えて奥でも固定されてしまい、建物の動きに合わせて自由に伸び縮みできなくなります。

その結果、表面にひび割れが入る、外壁との境目から剥がれるといった症状が起こりやすくなります。
施工直後はきれいでも数年で劣化が進む場合があります。
3面接着を防ぐためには
①コーキングが奥に接着しないようボンドブレーカー・バックアップ材を入れる
(ボンドブレーカーやバックアップ材をあらかじめ目地の奥側に充填しておくことで、コーキングが下地部分に接着せずに、左右2面のみに接着することができます。)
②適切な厚み・深さを確保する
(充填するコーキング材の仕上がりの深さを考慮して、その深さまでボンドブレーカー(バックアップ材)を埋めることで、それ以上コーキング材が入り込まないようにします。ただ奥に付かないようにしなければと、コーキングそのものを薄くしてしまうとそもそもの耐久性がありませんし、深く充填しすぎても動きづらくなります。適度な深さが大切です。)
このような基本を守った施工が欠かせません。
これにより、コーキングがしっかり動ける状態となり、耐久性が高く長持ちする外壁につながります。
見えない部分にこそ、施工品質の差が出ます。コーキングは完成後、数年経たないと違いが分かりにくい部分になります。
だからこそ、見た目だけではなく将来を見据えた施工が大切だと考えます。
外壁工事をご検討中の方は「どんなコーキング施工をしているか」ということにも注目してみましょう。





