香川県高松市M様邸全塗装工事を承りました。
今回は外壁のシーリングをピックアップします。
外壁のサイディングの継ぎ目やサッシの周りにあるゴムのような素材の指で押すとやわらかい部分がシーリングです。コーキングとも言いますが、こちらではシーリングに統一します。
シーリングは単に隙間を埋めるためだけにあるのではありません。
しっかり充填することで外部からの水の侵入を防ぐ防水の役割があり、また内部の気密性を保つという役割もあります。建物は構造上動く箇所があるので、外壁材などの衝突や摩擦を防ぐためにあえて隙間があり、そこへ緩衝材としてもシーリング材が充填されます。
このシーリングが硬くなり劣化すると、剥がれたりひび割れたりして水や空気が内部に入り、見えないところの劣化を招くわけです。ただただ細い線のように見える部分ですが、結構大事な役割を担っています。
このシーリングの機能を改善するには「打ち替え」と「増し打ち」という方法があります。
劣化の少ないところなど既存のシーリングの上に打ってゆくのが「増し打ち」
既存のシーリングをすべて取り除いて新たに打ち直すのが「打ち替え」です。
今回M様は外壁サイディング目地とサッシ廻りのシーリングをすべて「打ち替え」でご希望されました。
打ち増しよりも手間が増えることと材料も多く使用することから費用は余分にかかるのですが、根本的に新しいものに変わるので、新築時により近い状態に戻すことができます。長い目で見るとランニングコストを抑えることができると言えます。
またシーリング材と一言でいえども、かなりの製品と種類があります。その中から建物や外壁材に適したものを選び、どれくらい長持ちさせたいかを考慮して選ぶ必要があります。
今回M様は弊社おすすめの耐候年数の長い「オートンイクシード」を選ばれました。
専用のプライマーがセットになっています。
オートンイクシードは高耐久・高耐候が売りのシーリング材です。
耐久性は言い換えると柔軟性・伸縮性を維持できるかどうかという性能です。
地震や道路からの振動、寒暖差の伸縮にどれほど追従できるかという点です。
オートンイクシードは圧縮率30%と拡大率30%の伸縮を4000回繰り返し×3サイクル、合計12000回のテストを実施し耐えています。
耐候性は美観・意匠性の維持に関わります。紫外線・水分・熱などにどれほど耐えられるかという点です。
促進耐候性試験機で検証し、人工的に屋外環境を再現した試験では促進暴露時間6000時間を突破しました。
この試験の200時間が、実際の建物1年の劣化因子相当と考えると、30年という期間の厳しい環境にも耐えうる能力があると考えられます。
実際には立地上の特殊な要因も加わってくることも考え、弊社では20年耐久と表記していますが、それでも一般的な製品の2倍の耐久性・耐候性なので、自信を持ってお勧めしている製品です。
【施工の様子】
施工途中の様子をご紹介します。
こちらが施工前の状態です。色がくすんでいて、硬化が進み細かいひび割れが発生しています。
よく見かける状態だと思います。
こちらを一旦取り除きます。取り除くと下地が現れますのできれいに掃除をします。
マスキングテープで養生をしてプライマーを塗り込みます。
どの工程も大事なのですが、ここが一番のポイントです。
養生が仕上がりの見た目を左右します。
プライマーはコーキングがしっかりと基材に密着し続けるかどうかを左右します。
密着性を高めたうえで奥までコーキングを充填します。
最後にヘラで押えて成形、余分なコーキング材を取り除き、マスキングを剥がして施工完了です。
今回は塗装を済ませてからの後打ちを選ばれました。
後打ちはシーリングの上に塗料が乗らないので、時間が経っても塗料のひび割れなどを心配する必要がありません。
シーリングの仕上がりが全体の工事の最後になるので、より丁寧な仕上げが求められます。
(※ 先打ち・後打ちのメリット・デメリットはこちらのページの中ほどでご確認いただけます。)
色も合わせて選んでいますので、違和感なくきれいに仕上がりました。
通常では10年ほどで劣化が現れるのですが、これで20年安心してお過ごしいただけます。
高耐久・高耐候のシーリング、外壁塗装や外壁補修をお考えの方にはぜひお勧めします!